魚沼市(新潟) 明神山(760m)、大倉山(975.5m) 2019年4月13日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 5:03 三ッ又集落−−5:07 除雪終点−−6:20 登山口−−7:32 明神山−−8:40 大倉山(休憩) 9:04−−9:45 明神山−−10:27 登山口−−11:43 除雪終点−−11:47 三ッ又集落

場所新潟県魚沼市
年月日2019年4月13日 日帰り
天候快晴
山行種類残雪登山+残雪期の籔山
交通手段マイカー
駐車場三ッ又集落最奥の石仏群前に駐車
登山道の有無明神山まではあり(ただし609m標高点より先の状態は不明)、明神山〜大倉山間は無し
籔の有無明神山〜大倉山間は無雪期は根曲がり灌木藪。今回は7割程度は残雪を利用できた
危険個所の有無藪を避けて残雪の急斜面トラバースをしなければ危険個所は無い
使用した冬装備ピッケル(藪迂回で急斜面トラバースであった方がよい)、10本爪アイゼン
山頂の展望どちらの山頂も大展望
GPSトラックログ
(GPX形式)
ここをクリックしてダウンロード
コメント三ッ又集落から続く林道を辿り、地形図の破線がある492m標高点、609m標高点を経由して大倉山を往復。想定外に明神山までは夏道ありで、予想より雪が少なかったため大助かり。明神山〜大倉山間は雪が割れて藪尾根を歩くこともあったが半分以上は雪を拾えた。大倉山山頂で新雪は10〜20cm程度。固く締まった雪の林道でコケて左手首を痛め、こうしてキーボードを叩くのも苦労。ちょっとマズいかも


明神山から見た大倉山


三ッ又集落東端 石仏が並ぶ広場隅に駐車
林道起点。除雪されている 除雪終点。雪は固く締まっている
デブリ連続箇所は道路端に雪無し 気温は約-3℃。この時期にしては冷え込んでいる
本沢唯一のスノーブリッジ ここでアイゼン装着。雪が緩めばアイゼン不要
やっと明神山登山口に到着 登山口は意外に明瞭
沢は流れが出てしまっている きれいに刈り払われた夏道
奥のピークは690m峰 609m標高点付近。夏道は右へトラバースだが私は左へ
明神山南側をトラバースする道が見える。古い地形図にはこの道の表記あり
標高630m付近 あちこちでマンサクが咲いていた
明神山三角点付近から見た南側の展望
明神山三角点付近から見た大倉山 明神山三角点付近から見た明神山東峰
明神池。雪に覆われる 明神山東峰への登り。良く締まって快適
明神山東峰から北を見ている
明神山東峰から見た360度パノラマ展望(クリックで拡大)
明神山西峰直下は雪庇。よじ登る 登ってきた明神山西峰の東斜面
700m鞍部から見た大倉山。残念ながら雪が途中で切れている
標高780m付近。雪が割れている 尾根上には目印も。でも道は無い
標高780m付近で灌木藪を登る 標高800m付近。尾根西側に残雪帯発見
標高830m付近 標高870m付近から振り返る
標高870m付近から見た900m峰と大倉山
900m峰から見た大倉山と奥に続く稜線
たぶんカモシカの古い足跡 890m鞍部から見た930m峰
930m峰への登りは西斜面をトラバース 930m峰から見た大倉山
910m鞍部手前から見た大倉山 新しいカモシカの足跡
910m鞍部から雪が無くなる 岩も混じるが危険なレベルではない
大倉山山頂直下 大倉山山頂
大倉山山頂から見た360度パノラマ展望(クリックで拡大)
大倉山から見た唐松山方面
大倉山から見た毛猛山〜越後駒ヶ岳
大倉山から見た荒沢岳
大倉山から見た越後駒ヶ岳、八海山
大倉山から見た毛猛山
大倉山から見た苗場山、鳥甲山、奥志賀の山々
大倉山から見た刈羽黒姫山、米山
大倉山から見た大川猿倉山
大倉山から往路を見下ろす
下りは雪も緩んで潜る 900m峰を見ている
新雪に隠れたクレバス多数あり 930m峰を北側から見ている
900m峰から下る 往路の足跡に重なってカモシカの足跡
腰まで落ちた隠れクレバス 帰りも少しだけ灌木藪を突っ切る
標高780m付近 明神山西峰山頂を北側から見ている
明神山西峰山頂 三角点付近の目印
三角点から下り始める
690m峰からの下り 標高620m付近
標高560m付近 カタクリが咲き始めていた
林道に出る 路面を見る限り廃林道
三ッ又集落到着


 今週もまた週半ばに長野市内でも降雪があり、山の上ではそれなりに積もったのは確実で、行き先を慎重に選ばないとラッセル地獄になってしまう可能性が高い。標高が低い山なら降雪量は少なかったはずだが、今度は雪解けのために新雪以外は雪が無く藪が出ている可能性が高くなるため、両者のバランスが肝心だ。候補地をいくつか考えたが、今回は久しぶりに中越地方に向かうことにした。

 平成の大合併で誕生した魚沼市には登山道が無い山がたくさんあるが、大倉山もそんな山の一つ。下権現堂山〜上権現堂山〜唐松山の稜線のさらに奥に連なる山だ。時間があればこれらと抱き合わせで登りたいところだが、今週末は日曜が出社で休みは土曜のみ。体力を使いすぎると日曜日の仕事に支障が出るため半日程度のルート抑えなければならないため、大倉山に限定することにした。

 ネット検索も交えて検討した結果、明神山経由で登ることにした。明神山は地形図に破線が描かれているが、ほぼそのとおりに道があるらしい。明神山より先は道が無く潅木藪とのことで残雪が頼りだが、いくら豪雪地帯といっても標高は1000m以下。特に里の近くは雪は期待できないと判断し、明神山の夏道を利用して雪が残る高度まで稼ぐ作戦だ。林道歩きが長くなるが、たぶん林道の雪もほとんど消えているだろう。

 国道117号線経由で小出に入り、カーナビに従って三ッ又集落へと向かう。小出付近は雪は皆無で、羽根川沿いに奥に入っていってもほとんど雪が無い。夜間なのではっきりとは見えないが山の斜面の残雪もほとんど無いようだ。集落より先の道路は除雪するはずないのでこの点では林道歩きが楽になり助かる。

 民家が10軒前後まとまって現れれば三ッ又集落で、集落最奥には石仏が立つ広場があり、その先に細い道が続いていた。周囲は水田らしいがこの林道から先だけ残雪があり、林道は車幅ギリギリの狭い幅で除雪されていた。しかしそれも広場から200mくらいで終わってしまう。周囲の山には雪が無いのに林道周辺の平坦地はごっそりと残ったまま。林道の除雪区間には駐車場所が無いのでUターンし、集落よりもっと手前まで戻って広い路側で仮眠した。

 翌朝は快晴。冷え込んでフロントガラスの水滴は凍っていた。朝飯を食って集落奥の石仏前広場に駐車。駐車していいのか不安はあるが、近くに車は駐車していないので個人の敷地ではないと思われた。気温は約-3℃で水田に残る雪はカチカチに凍っており、この調子ならスノーシューは不要だろうと判断。見上げる山の斜面上方には新雪の白さは無かったのだった。代わりにピッケルと軽量の10本爪のアイゼンを持って出発。

 日中に雪が解けて流れた路面の水はことごとく凍り付いてツルツルでアイゼンが欲しいくらいだが慎重に通過、雪に乗れば快適だ。今シーズン初めての全く沈まない雪で、これが山頂までずっと続くことと、気温が上昇する日中になっても緩まなければいいのだが。

 林道はほぼ全ての区間で雪に覆われたままなのは予定外だったが、やはり山の斜面はもう雪が消えて藪が出てしまっている。うまくしたらツナガ沢から大倉山に直接突き上げようとも考えたが、この残雪状況ではとても無理だろう。当初計画どおりに明神山登山口まで延々と残雪の林道歩きの始まりだ。幸いにして危険な雪の残り方をした箇所は無く、デブリが落ちて急斜面を形成した場所は路肩の雪が消えていて安全に通過できた。しかし雪が締まっているのはいいが予想以上によく滑り、何度かコケてしまった。そのうち1回で雪面に左腕を強打し、肘の近くを広範囲で擦りむいてしまい、終始ヒリヒリして痛かった。それ以上にマズいのが同時に左手首を痛めてしまい、急斜面で木を掴むことができず、帰りの車の運転にも影響が出るほどだった。この文章は翌日に書き始めているが、痛みは当日よりも増していて日常生活にも影響が出ている。月曜日に医者に行く予定だが、骨にひびが入っていなければいいが。今の左手の状態ではピッケルが必須なマジな残雪の山には入れない。

 場合によっては帰りがけに丸山に立ち寄ろうと考えていたが、林道沿いの本沢は水量が多いし両岸は切り立って川底は深く、スノーブリッジも無いので対岸に渡るのは不可能だ。地形図では柳沢右岸尾根末端の破線が沢を横断しているが、現場には橋は無くジャブジャブと渡るしか方法は無い。それ以前に丸山への斜面も雪が少なく藪漕ぎの連続なので、今回は見送るしかない。

 三ッ又集落から1時間以上かかってやっと登山口の尾根基点に到着。ネットの記録では登山口標識があるらしいが、雪に埋もれているのは見られなかった。しかし道形は予想以上に明瞭で入口は迷うことは無い。私が読んだ約10年前の記録では山菜取り用らしき道でそれほど整備されていないように読み取れたが、実際にはしっかりと刈払われて1級の道だった。この道なら雪が消えて潅木藪と格闘する心配はなさそうだ。

 登山道は尾根直上を進んでいく。背の大きな立ち木は無く、少し高度を上げると展望が開ける。ひときわ白い峰は越後駒ヶ岳だろう。さらに高度を上げると右に八海山、左に荒沢岳が姿を現した。あの白さは新雪が積もった証拠だろう。それに対してこちらのルートは新雪は皆無で、しばらくの間は尾根上の登山道には雪庇の解け残りの他は雪は皆無で、登山道が無ければ潅木藪漕ぎだ。例のごとくマンサクの潅木藪が多いが今はちょうど花の盛りだった。

 609m標高点で地形図では破線が分岐するが尾根直上は盛大に枝を張り出した灌木藪で、現場の残雪状況から推測するとここから明神山への破線は右へとトラバースするようだ。ここに達するまでに明神山南斜面が見えたが、明らかに登山道と思われる筋が見えていた。古い地形図だとそのとおりに破線が描かれていたのだが、ネットの記録では鉱山道とのことで、今は整備されず廃道化したらしい。尾根直上の藪を避けて尾根西側の残雪を伝って迂回。ここから明神山まではずっと雪の上を歩くことができた。ネットの記録によると地形図の明神山に達する破線は実際には存在しないようだが、雪が付いた今の時期は道の有無に関係なく尾根歩きが可能。登りにかかるとそれまで見られなかった背の高いブナが登場、心を和ませる。

 残雪たっぷりの690m峰に上がって右に針路変更すれば明神山は目前だ。明神山は南から見上げると南斜面は雪が落ちて藪が出ていたが、尾根上にはたっぷりと雪が付いたままで藪は皆無で快適。

 ここまで来ると最終目的地の大倉山が見えるが、ここから見るととんでもいない岩峰の険しい山頂に見える。山頂には雪があるが山頂直下の岩混じりらしい急斜面には雪は見えない。さて、あそこを安全に登れるのだろうかと心配になるが、ネットの記録では藪漕ぎだが危険箇所の記述は無かったので、尾根伝いはここからの印象より安全なのだろう。

 地形図では明神山ピークは同じ760m等高線が東西に2つ並んでいて、その鞍部に明神池がある。現場で見た感じでは西側ピークの方が僅かに高いように見えたが念のため東峰も踏んでおくことに。西峰から東峰へと下る斜面は雪が締まっておらずズボズボと潜るが、東峰への登りに変わると硬く締まってアイゼンが気持ちよく決まる雪質だった。東峰は背の高い木が無いので360度の大展望。ここからだと東に見える天を突くような檜岳が圧巻。その右には毛猛山。あの白さだと新雪に覆われているようだ。そういえばここも雪は真っ白で新雪が積もったようだ。

 明神山西峰を避けて北側鞍部で尾根に復帰するが、ここは雪庇が連続していて1mくらいの雪壁を強引に登ったが、ストックだと体重をかけたら折れていただろう。ピッケルでよかった。

 これまでは夏道と快適な残雪歩きだったが、750m鞍部から見上げる900m峰への登りは広範囲で雪が割れてしまっていて、途中までは東斜面の雪が使えそうだが上部は雪が繋がっていないように見える。どちらにしても斜面をずり落ちた雪を拾って歩くので、ブロック化した雪の溝で渡れない箇所もあるだろう。見上げただけでは詳細はわからないので、現場でルート判断しながらできるだけ藪を避けて登る必要があるだろう。

 雪が繋がっている間は素直に雪を伝うが、予想通り雪が切れてしまった箇所に出た。ここはそれほど潅木藪は濃くないので、雪の重みで「逆目」になった根曲がり潅木の隙間をよじ登る。少し岩が混じるが危険なレベルではない。逆に岩があると藪が薄くて助かる。

 20m程度の距離で潅木藪を突っ切って尾根の傾斜が緩むと尾根の西側に残雪帯が登場、今度はこれで藪を回避。そのまま900m峰へと突き上げる。やはり残雪で藪が隠れた場所の方が圧倒的に歩きやすい。

 900m峰に出ると大倉山はもうすぐだ。明神山からは、本当にあれに登れるのだろうかと感じるほど険しく見えたが、ここからだと普通に尾根が繋がって問題なく通過できそうで一安心。ただし、雪が消えているということはそれなりの傾斜があるということだろう。藪の深さが心配だ。

 930m峰の登りも雪が付いたままだが、硬く締まった古い雪は残り僅からしい。矮小な石楠花が顔を出していた。この標高でこれだから、冬の気候の厳しさが伺える。カモシカの足跡と思われる、新雪に埋もれた凹みが見られた。そういえば往路と復路の林道歩きでカモシカを目撃した。特に帰りは沢の中を走って逃げる珍しい姿だった。ちょうど沢が浅い箇所だったからなぁ。

 930m峰から910m鞍部にかけては新雪で隠れたクレバスに落ちて苦労。半端な新雪は無い方が歩きやすい。

 910m鞍部からは雪が完全に消えた矮小潅木の尾根を登る。900m峰への登りで遭遇した潅木より格段に低く細く、巻機山〜大水上山の利根水源山脈と同じような潅木。それでいて笹は皆無なので大変歩きやすかった。ここは無雪期でも問題ないだろう。イヌツゲらしい邪魔な照葉樹は迂回する。

 大倉山山頂南の肩に乗れば残雪が復活。僅かに登って大倉山山頂に到着だ。予想外に時間がかかり疲労も大きかったが、どうも先週の容雅山の疲労が抜け切れていないようだ。最近は仕事が忙しくて毎日残業だしなぁ。来週はもっと手軽な山を考えるのがいいかもしれないが、おいしい残雪の期間は短いのでそうも言っていられない。

 山頂は立木皆無で遮るものの無い大展望。おそらく雪がなくてもこの展望は変わらないだろう。北には唐松山から続く尾根。今なら藪を回避して縦走可能だ。東の檜岳と毛猛山がでかい、その南のなだらかな真っ白山は未丈ヶ岳だろう。荒沢岳の稜線は東西に羽のように伸びていて、私が撤退した西ノ城の西側のピークもはっきりと分かる。その左には燧ヶ岳が僅かに頭を見せている。越後駒ヶ岳〜八海山は真っ白。その右奥に見えるのは志賀高原北部の遠見山など。さらに右には妙高や火打山が霞んでいる。ここから見ると容雅山は判別できない。さらに右手には刈羽黒姫山と米山も見えた。

 予想以上に疲れたので山頂で休憩。今日は無風快晴で気持ちいいが、日焼け確実なので途中で顔に日焼け止めを塗ってある。週末でこの好天だとどの山も盛況だろう。ただし、あの白さからして標高が高い場所は新雪が結構積もっているのは確実で、スノーシューでもラッセルがきついだろう。

 帰りは往路を戻ったが、自宅に帰ってから気付いたが、下りなら多少の潅木藪漕ぎも許容範囲なので、帰りは唐松山方向に進んで930m峰から南尾根かその両側どちらかの谷を下って北の沢沿いの林道に出るか、900m峰から南西尾根に入って644m標高点を経由して北の沢沿いの林道に出る手があった。帰りは雪の緩んだ長い林道歩きが最もきつかったからで、このルートなら大幅に距離を短縮できただろう。

 駐車場所に戻ってきたが、住人の姿は皆無。おそらく空き家が多いのだろう。まだ丸山が残っているので、またここに来ることがあるだろう。ただし丸山程度なら深道川沿いの林道が通行可能な時期に藪を漕いで登ってしまうかもしれない。

 

都道府県別2000m未満山行記録リスト

 

日付順2000m未満山行記録リスト

 

ホームページトップ